
インタビュー
【後編】いつでも手ぶらで行ける、街に根付く銭湯小杉湯
小杉湯の三代目平松佑介さんに取材させていただきました!
2024年4月、ストリートカルチャーと若者文化の発信地である原宿に誕生した「ハラカド」。
その中には老舗の銭湯「小杉湯」の看板がありました。
今回は昭和八年から運営されている高円寺小杉湯についてや、
原宿に新たに誕生した小杉湯原宿についてなどを、小杉湯の三代目平松佑介さんに取材させていただきます。
小杉湯さんと木村石鹸との関わりはさかのぼること7年。
現在では、12/JU-NI(ジューニ)やSOMALI(そまり)をお取扱いいただいています。
【後編】では、高円寺と原宿の役割についてや、アメニティの変化による銭湯の体験価値についてお伺いしました。
前編:https://www.kimurasoap.co.jp/a/c/journal/l/interview/kosugiyu01
「本家」高円寺と「本社」原宿
——街に根付く銭湯というお話を聞かせていただいたのですが、以前の「小杉湯を洗う」の後に社長の木村にインタビューをしました。
そこでは「銭湯を街のコミュニティーとして捉えて、銭湯の価値を再定義」しているところに感銘を受けたということを話していました。
今、高円寺と新たに小杉湯原宿がありますが、街としての違いや難しさみたいなところはありますか?
平松:まず、今思うと「銭湯を地域のコミュニティとして再定義する」って
なんて偉そうなことを言っていたんだろうと思います(笑)
新たな価値って言うわけではなく、銭湯はもともとコミュニティの中心なんですよ。
それはもう、戦後から大切なことは変わっていないっていうのは絶対で。
街の話をすると90年の歴史がある高円寺小杉湯と、「その他公衆浴場」っていう民間の事業として東急不動産という企業さんと街の事業としてゼロから作る小杉湯原宿ってなると、全然違い過ぎて。
小杉湯が分社化※したんですけど、株式会社小杉湯は「本家」という感覚があって、平松家の会社だし、高円寺は「本家」なんですよ。
僕は毎日原宿に来ているんですけど、なんか「本社」に出社している感じなんですよ。
「本家」として守っていく、家業から事業へも違う気がしていて、家業は家業としてどう守っていくか。
原宿はやっぱり、事業として始めた「本社」だなっていう感じですね。
だから、高円寺に思い入れが・・・とかは全然なくて、高円寺の街と原宿の街とでは全然違うし、小杉湯と小杉湯原宿の事業のモデルも違うし認可も違うし、これが別であるということはちゃんと捉えてやらなきゃいけないっていうのは感じていることです。
※小杉湯さんは2024年10月に株式会社ゆあそびを設立し、2店舗目となる「小杉湯原宿」のプロデュース事業を行っています。
——原宿が事業という話がありましたが、小杉湯原宿を開業するにあたり
平松さんは銭湯業界全体のことを考えたりというのはやっぱりあったのでしょうか?
平松:それはあって。
僕個人の想いとしては、小杉湯を継いで続けるっていうことは本当に大事で、高円寺の街で辞めちゃいけないんですよ。
高円寺から小杉湯がなくなると、街にとっての損失がでかいから、続けなきゃいけない。
だけど、銭湯自体はどんどん減ってきているし、少し前までは東京都だけで500件くらいあったのが、今はもうすぐ400件切るぐらいまで減ってきているし、毎月1件無くなるというぐらいなんです。
やっぱり、法的にも公衆衛生を支える生活インフラですが、法的な役割を持ちながらやっていく銭湯が減ってきちゃうと色んな力が弱くなっちゃう。
行政に対してもそうだし、銭湯業界全体が続いていくようにしないといけないし、盛り上げていかないといけない。
その中で、銭湯がただただ減っていくという事例は、未来がないなと。
何度もになっちゃうんですけど、公衆衛生を支えている生活インフラであるっていうのが大事で、日常を支えて人々の生活を維持するっていう役割の銭湯が、今社会に無くなってきちゃっている。
原宿は、その他公衆浴場でも銭湯としてやってきているので、そこは認可じゃないんだなっていうのはやってみて思ったんですけど、プラス1をする取り組みが起きないとちょっときついなと思ったんですよ。
——守っていくだけではなくて、銭湯が新たに増えないと。
平松:そうです。
でもそれを、今までのように家業の人がやるのは中々厳しいから、ディベロッパーとか街づくりとか行政がやることの中でプラス1が起こるのが必要だなって思っていたんです。
そのタイミングで、コロナがあって東急不動産の再開発が止まって、もう一度再定義してやらないといけないねとなったときに、「街に根差す商業施設」というキーワードが出て、原宿の街にはもう20年間銭湯がなくて、でもかつては喫茶店があって本屋さんがあって商店街があって銭湯があった。
その時にご紹介をしていただいて、小杉湯として考えている街の銭湯の役割をお話したのがきっかけです。
小杉湯がプラス1をやるとは思っていなかったんですけど、もうこれは本当にタイミングとご縁ですね。
——銭湯を続けていくということですら難しいことなのに、あえて原宿に入浴料500円で銭湯を営むということは小杉湯さんにしかできなかったことだし、英断だなと思います。
銭湯の体験価値の変化
——ここからは、木村石鹸と小杉湯さんの関係について掘り下げていきたいのですが、確かきっかけは、イケウチオーガニックさんのバスタオルを使っていらっしゃって、それに合う洗濯洗剤としてイケウチオーガニックさんがSOMALIをご紹介くださったんですよね。
平松:そうですそうです。
全部タイミングが良かったんですよ。
そもそも銭湯でレンタルするハンドタオルとかバスタオルって、いかに安いものを仕入れるかっていう消耗品の感覚なんですよ。
他で言うとシャンプーとかは置かないか、リンスインシャンプーだけとか、ドライヤーは乾かないものしか置いていないとか、女性にとって一番大事なポイントが一番悪いみたいなのが、僕が継いだタイミングの銭湯の環境なんですよ。
そんな中で、タオルやバスタオルをいいものを使っていう、そもそもの発想がなかったんですよ。
だから、イケウチオーガニックのタオルをレンタルするって、それ自体が大きなことになった。
体験価値の変化が大きかったわけですよ。
——ちょっとした非日常みたいな。
平松:そうですね。
銭湯の体験で、気持ちのいいお風呂を沸かして、気持ちのいい体験をしてもらうっていうときに、湯上りのバスタオルがすごい大事なんだなっていうのをイケウチオーガニックを入れて良く分かった。
でも、当時小杉湯にあった、市販の洗剤じゃすぐにバリバリになっちゃったから、すぐにイケウチオーガニックさんに相談して、木村社長を紹介してもらってSOMALIに出会いました。
あと今、スタッフがシミを見つけるのが本当に早くて!
高円寺は「そこかし粉」でほぼ毎日漬けてます。めちゃくちゃ使っています。
タオルが白なので、ヘアカラーとかを使っている方が多くて、色が移っちゃったりするんですよ。
そういうのは全部そこかし粉で落ちます。
——SOMALIだけでなく、そこかし粉まで!ありがとうございます。
原宿ではSOMALIの洗濯用洗剤、高円寺では12/JU-NIも販売してくださっていますよね。
平松:今月もね、12/JU-NIは詰替えで5個とか、ボトルで3本とか売れてますよ。
小杉湯では実は、12/JU-NIのお試しのパウチを販売させていただいて、
これが結構売れるんですよ。今月で言うと44個とか出てますね。
ちゃんとシャンプーも何種類か置いてあるのに。
あと、昔やっていた「木村石鹸の湯」も再開させたいです。
毎月12/JU-NIのサンプルをお配りして、試してもらうっていうのがまたやれると面白いんじゃないかなと思います。
木村石鹸の湯という日を設けて、12/JU-NIのサンプルをお配りいただいていました
——そんなに使ってくださっているんですね!小杉湯さんだからこそだと思います。
12/JU-NIが発売された2020年ごろから毎月12日近くは12/JU-NIのサンプルをお配りしていただいていましたね。
「木村石鹸の湯」は再開させましょう!
小杉湯さんには、12/JU-NIのクラウドファンディングの時から協力していただいていて、他にも木村石鹸から小杉湯さんに何かできることありませんか?
平松:なんでしょうね~。
固形石鹸の「木村石鹸の木村石鹸」を小杉湯でお配りさせていただくという話があったじゃないですか。
どういう風にお配りするのがいいのかなというのを考えていて、
結局世に出していないものがあるんですけど、100周年だったので「拝啓木村石鹸様」というお手紙を書いてnoteに出して固形石鹸をお配りしようかなと思っていました。
でも、小杉湯のお客様に直接渡したいなというのがあったので、noteじゃないなと思って、お蔵入りにしているものがあるんですよ。
——えー!見たいです!
平松:全然途中なんですけど、僕が書いたのは「木村石鹸はいつも作っている」ということなんです。
木村石鹸さんとのこれまでをふり返っていて、SOMALIの洗濯洗剤を入れたり、C SERIESのお掃除グッズを導入したり、一緒にお風呂掃除をしたり、大阪の工場にも行かせてもらって・・・
書きながら「いつ会っても作ってる!」と思ったんです。
木村社長に会うといつも試作品の話を聞くし、サンプルももらう。
僕らは技術的なことは分からないけど、SOMALIの洗濯洗剤を使うとタオルがふかふかになるし、錆トリを使えば錆が落ちるし、いつも商品に助けられている。
だから、木村石鹸さんとやりたいことは、作る技術をお借りして「掃除のレベルを上げたい」ということです。
まだまだ足りていない部分で、鏡の鱗とりもそうだし、カランもそうだし、もっとしたいことがあるんです。
木村石鹸さんと一緒に掃除のレベルを上げられるのであれば、
それはめちゃくちゃうれしい。
洗剤とかも一緒に作りたいですね!
——ここまでお話しお聞かせくださってありがとうございます。
それは私たちも嬉しいです!
次回は開発も連れてきます!
~12/JU-NIの湯(日)の実施について~ このインタビューをきっかけに、毎月12日頃に12/JU-NIシャンプーのサンプルを高円寺の小杉湯さんでお配りいただくことになりました!もしお試ししてみたいなどありましたら、ぜひ12日に高円寺小杉湯に足を運んでみてくださいね! |